産業保健師×手帳×オンライン秘書のパラレルワーカーから学ぶ「自分の時間を『好き』と『得意』で満たす働き方」

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楽しんで働く自分をイメージできますか?看護学生を対象にしたメドキャリ独自のアンケートによると、約88%の学生が「大学の授業で将来について考える機会を得ている」と答えました。多くの看護学生は大学で取り上げられる看護師や保健師、助産師以外の選択肢を考えることがないのかもしれません。そのため、限られた選択肢の中で「自分らしさ」を見つけようとしている人が多いように思います。
 今回は、産業保健師として働きながらご自身の得意分野を活かして手帳のGAKKOというコミュニティの校長、オンライン秘書、並びにZoomアドバイザーなど、大学では教えてもらえない分野でも活躍されているおおもとわかこさん(@waka5aquamarine)に、「好き」と「得意」で自分の時間を満たす働き方について語っていただきました。わかこさんのお話を通し、自身の可能性を見出す一歩を踏みだしてみませんか。(聞き手:筑波大学看護学類2年齋藤舞衣子・陳永和・小﨑詩奈、文章:小﨑詩奈)

パラレルワーカーへの道のり

現在、取り組まれている内容について教えてください。

 基本的には産業保健師として週3日働いています。そして、産業保健師として働いていない時間では、オンライン秘書として起業家さんのサポートをしていたり、Zoomなどのオンラインサポートやレッスンを行ったりしています。また、手帳のGAKKOという手帳を使ってなりたい自分をかなえていくコミュニティの校長を務めています。

産業保健師だけでなく様々なことに挑戦されているんですね。そのようにパラレルワーカーとして働くこととなったきっかけはありますか。

 まず保健師として働くきっかけに関してですが、実は保健師にもともとなりたいと思っていたわけではなく、幼少期から看護師になりたいと思っていました。私の時代は保健師の資格を選抜など通らなくても取得できたので保健師免許は取りましたが、大学を卒業してからは病院に就職し看護師として働きました。しかし、あれほど看護師になりたかったのに入ってみて現実とのギャップを感じてしまい、「私は看護師に向いていないな」と思い2年ほどで看護師を辞めてしまいました。その後、保健師になったときに「私、保健師に向いているな」と思ったのです。

 看護師として2年働いたのちに、病院・保健所・健診センター・企業と様々な場所で保健師として働きました。保健師としてExcelを用いて統計を行うなどパソコンを用いて仕事をする事務作業を行うことが私は大好きだということに気が付きましたね。また、保健師の業務である保健指導を通し社員さんと面談して、行動変容につながることにもやりがいを感じています。

 結婚を機に保健師を1度退職したのですが、その時に大学時代の教授に研究の手伝いを依頼されたことも私にとって自分の「得意」に気が付くきっかけになりました。手伝いでは、論文など学会に提出するもののデータ整理や文章の校閲などをしたのですが、そのようなサポートをすることが好きだと気が付きました。

このように自分が事務作業を行うことやサポートをすることが好きだと気が付いたことが今の仕事をするきっかけとなっていると思います。

 また、産業保健師になって初めの3年間は正社員として働いていたのですが、その後は非常勤で働いています。産業保健師は正社員の枠が少ないので、複数の企業を担当している産業保健師の方も多くいらっしゃいますし、私のように別の世界で働くことにも適した環境だと思っていますね。

分野に縛られず「好き」と「得意」を仕事に。

手帳やオンライン秘書、Zoom講師などになったきっかけを教えてください。

 私はもともと手帳が大好きなので、約3年前に菱田紗絵子さんという方が主催する「手帳の会」に入ったのです。1年ほど経ってから私の手帳への愛が非常に大きいということでその会にスタッフとして関わることになりました。そして今では会の仕組み作りやオンライン化、個人に合った手帳を提案したり手帳の使い方を教えたりする個別講座などを行っています。そして、2021年からは「手帳の会」が「手帳のGAKKO」として組織化され私は校長として関わることとなりました。

 オンライン秘書の一番初めの仕事は、今お世話になっているオーナーさんが事務のお手伝いをしてくれる方を募集していて。オンライン秘書や事務サポートの経験はなかったのですが、そうした事務作業は得意なので必ず力になれると私が連絡したことがきっかけです。

 オンライン秘書をしていて改めてサポートが好きだと感じています。何を言われても苦にはならないですし、どのようにすればオーナーさんが気持ちよく仕事ができるかを考えることが楽しいのです。今ではたくさんの方からお仕事の依頼をいただき、私一人ではこなせないため、現在はオンライン秘書養成サロンを開いて私と一緒にチームで働いてくださる方々を増やすことに尽力しています。

 Zoomに関しては、もともとシステムがすごく好きで、当時Skypeが主流だった中、私はZoomが出始めたころから使っていて得意分野でした。Instagramで手帳好きな方々が集まる「手帳カフェ」という交流会があり、開催者の方に「私はZoomが得意なのであなたのサポートができるかもしれません。よろしければサポートさせてください」とダイレクトメッセージを送りました。時には様々なトラブルが起きることもありましたが、すべて私が対応しました。開催者の方からも「わかこさんがいてよかった」と感謝され、それをきっかけに約1年間、ボランティアでサポート業務を行っていました。その経験が実績となり、お仕事が来るようになったのです。

オンラインインタビューの様子。右下がおおもとわかこさん。

オンラインインタビューの様子。右下がおおもとわかこさん。

興味に飛び込みチャンスを掴む

産業保健師以外の事業を並行して行うことは大変ではないですか?

 やることが毎日あり、充実しています。オンライン秘書の場合は次の日までにやっておいてほしいと突然仕事を渡されることがよくあるので、常に余裕を持つように心がけています。いかに自分を犠牲にしないかということが課題です。

忙しい時もありますが、誰でもいいのではなく、私だから仕事の依頼をしてくれるので、その期待に絶対に応えたいという想いでやっています。

なんと言っても、「手帳が大好きだということ」と「事務的なサポート能力があること」を自分でわかっているので、その「得意」かつ「好き」なことをしてお金がいただけることに気が付いたこともこの仕事を続ける理由です。

けれども、産業保健師を辞めるという選択肢は私にはありません。産業保健師も私にとってはオンライン秘書や手帳などと同様に楽しめる仕事なのです。

お仕事がわかこさんの方へ飛んで行っているかのようですね。

 そうなんです。不思議と就職などに困ったことがなくて。もちろん一番最初の看護師としての就職先は自分で見つけたのですが、その他の働き口は向こうからやってくることが多いです。行政保健師の産休代理の情報も友人から探していると言われて受けましたし、産業保健師の正社員の就職に関しても知り合いの方から枠が空くという情報をもらって受けました。

例えば、産業保健師の正社員の枠のお話は私が指導者を務めた産業カウンセラーの養成講座の受講者さんに教えてもらいました。

私は、色を入り口にカウンセリングを行うカラーセラピーの資格を持っているのですが、その資格を取ったときに自分にはカウンセリングの技術がないということに気が付いたのです。それがきっかけで、様々なカウンセリングの資格を調べていた時に産業カウンセラーの資格を見つけました。産業カウンセラーは産業現場の勉強もできるので保健師としてもキャリアアップができると思い、産業カウンセラーの養成講座に申し込んだのです。その講座を受けた後、お声がけいただいて指導者もやったのですが、その時に「保健師を探しているのですが先生いかがですか」と言っていただいたのです。

また、今非常勤で働いている会社のお話をいただいたのも産業カウンセラーの同期の方からです。産業カウンセラーの養成講座で、私の得意なことや産業保健師に興味があることなどをいろんな方に言っていたので、そういった情報が入ってくるようになりました。

オンライン秘書の仕事も、自分の得意なことを周りに発信しているためたくさんの依頼をいただきます。

発信と様々なコミュニティに飛び込むことがチャンスを引き寄せることにつながっているのですね。最後に看護学生、看護師の方にメッセージをお願いします。

 興味があるものがあれば、それが今後、自分の将来につながるかもしれないと考えぜひ飛び込んでみてほしいです。もちろん趣味で終わるかもしれませんが、私みたいにその先に何かがあるかもしれません。自分が「好きだな」とか「興味があるな」という好奇心を大切にしてほしいと思います。

また、看護師の免許を取ったから看護師の仕事をしないといけないわけではないのです。周囲の人は「せっかく取ったのに」と言うかもしれませんが、大学で「学問」として勉強し、資格を生かすことで、いろいろな可能性が広がります。

自分の得意や好きを見つけることで、看護師という職業を含めながら看護学とは関係のない分野にも選択肢を広げることができるということをぜひ心にとめておいてほしいです。

登壇者プロフィール

おおもとわかこ

現役で産業保健師をしながらオンライン秘書、オンライン秘書養成、手帳コンサルタント、Zoomアドバイザーをこなすパラレルワーカー。
総合病院にて看護師経験後、病院保健師、行政保健師(産休代替)、健診センター保健師、業務委託での特定保健指導担当、産業保健師等、様々な領域での保健師経験を持つ。
オンライン秘書としては、仕事の早さ、丁寧さから女性起業家より依頼が殺到。2020年よりオンライン秘書養成をスタート。
手帳については、2019年より手帳の会スタッフとして月に2回のZoomミーティングを主催。2021年からは手帳のGAKKO校長に就任。
ZoomアドバイザーとしてはZoomレッスンをはじめ、Zoomイベントや、講座オンライン化をサポートしている。

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