本音が知りたい!看護職歴10年の看護師が語る看護職の魅力

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看護師になりたいけれど、先輩や世間一般に流れている看護師に対するネガティブなイメージから看護師になれるのか不安と思ったことはないですか。

今回、看護師として働いたのちに保健師、在宅ワークを経て再び看護職や保健師職に復職され、看護師の魅力についてTwitterやブログにて発信されているあみんさん(@mithubato)に、さまざまな働き方を通してわかった看護職の魅力を教えていただきました。

(聞き手:筑波大学医学群看護学類1年神谷春菜、2年小﨑詩奈、齋藤舞衣子、文章:小﨑詩奈)

やっとたどり着いた「看護職」としての働き方

あみんさんの現在の働き方について教えてください。

私の働き方は、小さい子供を育てながら仕事も続けられる方法を探してやっとたどり着いた働き方です。クリニックで看護師をしながら、業務委託という形で企業で産業保健師の仕事をしています。また、ブログとウェブライターの仕事もしていて、現在その4つの柱を収入源として活動しています。

そのような働き方になるまでの過程を教えてください。

大学生のころから、色々な経験を踏まえて多様な方面で活躍できるような看護職になりたいと考えていました。

大学を卒業したのちに、その大学の附属病院に就職しました。そこで耳鼻科・歯科口腔外科・形成外科・放射線外科の4つの科がある混合病棟に配属されました。病棟では、よくイメージする放射線を外部から照射する治療ではなく内部照射※を扱っており、カプセルを投与された患者さんは24時間監視の閉鎖病棟に1週間入院しなければなりませんでした。私はその病棟で看護を担当することが多く、また夜勤により不規則な生活となったせいか、無排卵月経でホルモンのバランスを崩してしまって。これから先にある結婚や妊娠、出産というライフイベントのために自分の体を大切にしたいと考えて大学病院を退職しました。

※内部照射・・・密封小線源と呼ばれる放射性物質を病巣の近くや内部に挿入して、体の内から放射線を照射する治療法。(国立がん研究センター中央病院ホームページより引用)

その後、保健所で1年働きましたが、産業保健の分野に興味があったことに加えて看護師としての技術も衰えさせたくないという想いから、健診センターへ転職し4年間働きました。健診センターでは保健師として就職したのですが、特定保健指導や健康診断に関わりながら、採血を1日約100人行うこともあり、看護師としても働くことができたのでやりがいがありました。この職場で、私は結婚、妊娠、出産を経験しました。健診センターは一般的に子育てしやすい環境と言われていることもあるのですが、私が働く場所では集合時間が朝4時などとても早いことも多く、子育てを優先に考えて退職をしました。

健診センターを退職した後は、2年ほど子育てに専念しました。体調が整ってきてお仕事をしたいなと思っていた時に出会ったのがブログやライターなどパソコンでできる仕事です。ライターとして受けた仕事をこなし、その後Twitterとブログを始めました。

オンラインインタビューでの一枚。右下があみんさん。
オンラインインタビューでの一枚。右下があみんさん。

看護師資格の魅力

世間ではネガティブなイメージも多い看護職を退職しても、何度もまた復職したくなる理由をお聞きしてもいいですか。

もしかしたら、自分の時間も健康も犠牲にしながら働いていたら、私も同様に看護師の仕事に対してネガティブなイメージを持ち、もう一度働きたいと思わなかったかもしれません。けれども、看護職とライターなどの看護職以外の働き方を組み合わせて、自分と子どもがいるこの生活を大事にしながら働くことが実現できれば、看護職の魅力を享受でき、働きがいにつながります。

看護師という仕事には大変なことを上回るほどの魅力があるのですね。詳しくお聞きしてもいいですか。

まず、看護師資格があることは大きな強みです。自分がやりたいときに働ける状況であればいつでも復職できます。私も3年のブランクがあっても現在看護師としてクリニックで働いています。看護の資格があるからこそ、体調を崩した時に休んだり、他のことに挑戦したいときにでも、また戻ってこられる、つまり選択の幅が広がります。

なんと言っても看護の仕事は本当にやりがいがあります。看護学生さんは実習などではまだ感じられていないかも知れないのですが、実際に現場で患者さんに向き合うと、人の命を預かっているという責任の重さが人の役に立っているという喜びに変わり、大きなやりがいを実感できるのです。また、看護師の仕事は他人からの信頼が得られやすく、対人関係がスムーズにいったり、看護師の経験を生かした執筆活動が仕事につながったりすることもあります。

また、看護職や医療系以外の仕事をして感じるのは、看護師や保健師だからこそ体験できる人との関わり方です。基本的に患者さんは人生の先輩であることが多いため、ちょっとした世間話でも、自分にはない考え方や知識が得られます。看護の仕事自体は大変なことも多いですが、私たちは患者さんに看護を提供すると同時に患者さんとお話しをすることで色々なことが学べると感じています。そういうことを含めた看護の仕事の楽しさを知っているからこそ、離れてもまたすぐに戻りたくなります。

看護師資格「だからこそ」自分を大切にできる

現在4つの柱で働かれていますが、将来的にはどのような働き方を考えていますか。

子供がもうすぐ幼稚園に入園するので、看護師や保健師の仕事、またはブログなどの自分の作業の量を増やしていこうと思っています。実はこれらの4つの柱で仕事をして、最終的には開業保健師※のような働き方をしたいと思っているんです。あとはデザインやイラストを作成することが好きなので、仕事にできればいいなとも考えています。看護職をしながら、さまざまな方面で活躍できる働き方をしていきたいと思っています。

「病棟」で働くか、「病棟以外」で働くかではなくて、看護職以外での働き方ができるのも魅力ですね。

そうですね。看護師になるための学校へ入学すると病院で働くことしか選択肢がないように感じる人が多いかもしれないのですが、看護師として働く場所は病院以外にもたくさんあります。視野を広げてみると、さまざまな場所で看護職は必要とされています。看護学生の皆さんは病院で働くことに対して、マイナスイメージがあるかもしれないのですが、私自身は先ほどお話ししたように病院で看護師として働くことに対してプラスの部分の方が多いのです。看護師として働いてみて、看護職の楽しさをぜひ実感してほしいと思います。

働いてみて自分に合わなかったときには、無理をせずに休んでまた復帰することができるのも看護師の魅力なので、何よりも自分自身を大切にして働いて欲しいと思っています。

※開業保健師・・・保健師という国家資格を持ち、個人・団体の健康づくりのプロとして社会的課題の解決のために自立し事業を行う者(日本開業保健師協会ホームページより引用)

あみんープロフィール

看護師×保健師×ブロガー×ライター等の複業をしている1児のママ。

国立大学医学部看護学科卒業。その後は大学病院、クリニック、健診センター、行政保健(母子担当)、産業保健など様々な分野での経験あり。現在、自身が運営している子育て・看護系メディアでは経験談をもとに、子育てに役立つ情報を発信中。看護学生や現役看護師からの相談実績は多数。また育児相談も常時受け付けている。

ブログ「mama hare」のURL⇒https://mama-hare.com

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