国境や職種に縛られない働き方 ~「どの国で働く?4か国の看護師によるぶっちゃけ座談会」イベントレポート~

海外

 2020年12月12日、チームWADA看護部の皆さんとのコラボイベント「どの国で働く?4カ国の看護師によるぶっちゃけ座談会」を開催しました。昨年11月に始動したばかりのチームWADA看護部。アメリカの集中治療室で働くコムジャック直子さん、2人の子どもを育てながら新卒看護師として働くタッカー美樹さん、日本でNP(ナースプラクティショナー)として働く青木瑞智子さん、看護留学を経験しイギリスで働くロッシ真由美さん、非常にユニークな経歴を持つ方々で興味が尽きませんでした。イベントの様子は下記のリンクからご覧いただけます。
どの国で働く?4カ国の看護師によるぶっちゃけ座談会 アメリカ・イギリス・ニュージーランド・日本 – YouTube
 イベントの参加者からは「キャリア形成について新たな発見があった」、「キャリアの選択肢が広がった」などのお声が寄せられました。これからのキャリアを考える際に何かヒントになるものがあれば幸いです。

チームWADA看護部の皆さんのプロフィール

海外で働く看護師のキャリア形成

 この欧米の看護師のキャリア形成の図を一目見て日本の看護師のキャリア形成と何が違うのかお分かりいただけるでしょうか。研究、教育、管理職、専門・認定看護師、経営・管理と看護の中でも様々な分野があることは日本においても同じです。一方で、図中の右側に示してあるように上の役職につくためには学位が必要で、試験も受けなければならないそうです。また、「年功序列がなく、30代前後で師長なっている人もいる」と真由美さんは言います。やる気のある人がどんどん上へ上がっていけるシステムは海外ならではですね。

新人看護師の教育

 3か月前から臨床で働き始めた美樹さんは「2週間ほど1対1で教育係の看護師についてもらい、タイムシートの記入の仕方など基本のことを学んだ」と言います。一方、アメリカで働く直子さんも「12週間のオリエンテーションがあり、1対1で先輩看護師に教えてもらう期間がある」と言います。それに加え、月に1度の授業や直子さんがICUに移った際にもトレーニングがあったそうです。

 日本でも1980年代からプリセプター制度が導入され、病院や病棟によって違いはあるものの、半年から1年間ほどの新人教育プログラムがあります。中にはチームによる指導制度がある病院もあります。教育の方法や期間は違えどもどの国でも新人教育は行われているようです。

医療チームの中での看護師の立ち位置

 イギリスでは「誰が上か下かはなく、医者と対等に接することができる。その代わりそれなりの責任は負う必要がある」と真由美さんは言います。その一方で、やはり日本では「医師が上で、看護師が下という図式がまだ残っている。欧米と比べて医師と対等にディスカッションするのも難しい」と瑞智子さんは言います。看護師が患者にできる治療介入への限界を感じ、NPになった瑞智子さん。NPになってからは「看護師のことも医師ことも理解できるようになり、対等に接することができる場面が増えた」そうです。国によっても、職種によっても看護師の立ち位置は変わるのですね。

海外で働くために…

 皆さんが口を揃えて言ったこと、それは「上手に話せなくても相手に話したいという気持ちを見せる積極性が大事」だということです。そのためには自信が持てるよう語学の勉強にも力を入れることが大切です。美樹さんは「YouTubeを字幕付きで観たり英字の小説を読んだりして勉強すると良い」と言います。直子さんは「地元にある国際交流センターで英語の練習をしていた」そうです。様々な勉強の仕方あると思いますが、自分に合った勉強法を見つけるのが大事ですね。

 語学力も確かに必要ですが、それ以上に「海外に行く際には情報収集も重要」だと看護留学経験のある真由美さんは言います。行き先を決めたら、まず免許の取得方法やILETSの点数はどれくらい必要なのかはもちろん、語学勉強に関しての情報収集も徹底的に行うことが重要だそうです。そして、「語学勉強への投資は必ず自分の身に返ってくるため、手を抜かないほうが良い」そうです。これは語学だけに関わらず、全ての学問においても言えることかもしれないですね。

他職種との接着剤“ NP(ナースプラクティショナー)”

 日本ではあまり聞き馴染みのない「NP(ナースプラクティショナー)」。NPの資格を持つことで看護師では行えない一定レベルの診断や診療を行うことができます。瑞智子さんはそんなNPの資格を持っています。「看護師では医師の指示がないと動けないことが多く、実際に気管チューブの抜管時期を逃して肺炎になった患者さんがいた」そうです。「ある程度診断や治療を行うことができるようになれば、そのような患者さんを減らせるのではないかと考え、NPになった」と言います。

 「NPになることで一定レベルの診療ができるだけではなく、医師や薬剤師、理学療法士など様々な職種の人と連携がしやすくなった」そうです。そんなNPですが、日本では国家資格ではなく、しっかりと制度化がされていません。これから日本においてNPに関しての理解がどのように広まっていくのか、先行きが見えない部分もありますが、楽しみでもあります。

学生へのメッセージ

 何を取り組むにしても、「“できない”と決めつけずに“やろう”とする気持ちが大切だ」と真由美さんは言います。確かに新しいことにチャレンジするには本当にできるのかと不安も出てきますよね。今イギリスでご活躍されている真由美さんも「看護留学中に泣いたときもあった」そうです。はじめから順調にいかなくても何度もチャレンジしていくことが大切ですね。

チームWADA 公式HP

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