【仕事とプライベートどちらを選ぶ?】女性医療者に聞いた本音の悩みvol.1

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女性医療者の「仕事とプライベートの両立」問題
2019年12月19日、2018年の「医師・歯科医師・薬剤師統計」(厚生労働省)によると、女性医師数は全体の21.9%と、2016年から0.8ポイント増加。年々その数は増加しています。また、第一生命株式会社が2020年4月30日に発表した小学生(1〜6年生)が「大人になったらなりたいもの」の調査において、3位には「看護師」、4位には「医者」がランクイン。医療者は幅広い年代の女子にとって憧れの職業として定着していますが、そんな医療者、将来はどのようなキャリアを送ることになるのでしょうか。
学生団体メドキャリ※1に所属する女性医学生や女子看護学生に話を聞くと「将来、仕事とプライベートの両立に不安がある」という声が多く上がりました。
女性医療者に聞いた本音の悩みvol.1と題し、今回は女性医療者の将来の仕事とプライベートの両立に関する不安に関して、女子医療系学生の声を中心にご紹介。vol.2、では、女性医療者の就業実態を厚労省の調査結果も踏まえながら解説、vol.3では、女性医療者の働き方に関し、国が行っている取り組みや、医学生・看護学生が行なっている取り組みをご紹介します。(文章:伊藤春花)
※1:「医療人の自分らしさを探求する」ことを理念に、医学生・看護学生を中心に活動する学生団体。
1. 「産休・育休に不安ある」女性医療者の声

私たちは独自に、女性医療者17人(医師・看護師・薬剤師)を対象として「仕事とプライベート」に関する不安を調査。8割以上が「将来結婚したい」と答え、うち28%が「20代のうちに結婚したい」と回答していますが、その実現には数々の課題があるようです。

1.1 主な不安は「結婚・出産のタイミング」

「産休や育休の取得が、現場でどのような印象を持たれるのか分からず不安」といった声や、「専門医取得を考えると妊娠・出産を考えるのが40歳近くと高齢になってしまう」「専門医研修期間中は産休・育休などで研修を中断することができないと聞いた」など、主な不安は結婚・出産のタイミングでした。

一般社団法人日本糖尿病学会によると、例えば「超尿病専門医」の認定を受ける場合、2年間の初期臨床研修に加え、各科の研修を1年以上かけて修了、さらにその後臨床にて3年以上の研修期間を経て、晴れて専門医試験の受験が可能となり、合格すると専門医に認定されます。医学生の場合、大学を卒業するのが最短でも25歳になる歳ですから、専門医を取得する頃には30歳を優に超えることとなります。

実際は、新整備指針では全ての基本領域に共通して、海外留学、妊娠・出産・育児、介護、自身の病気療養などのために研修を続けることが困難な場合は、申請により研修を中断できることになっていますが、それでも「納得するまで働きたい」という思いを持つのであれば、結婚・出産の適齢期と仕事のピーク時が重なり、女性医師が思い悩むのも当然と言えます。

また、看護師でも「経験年数が浅くても子どもができた際育休とれるのかどうか不安」といった声が上がっており、自分の望むタイミングで結婚・出産に踏み切れない女性医療者の苦悩が伺えます。

2. 2者択一に迫られる状況―「仕事」か「プライベートか」

また、メドスタ編集部の女子医療学生からも不安の声が続々と上がっている。例えば女子医学生からは、「外科、救急、循環器内科などは男性医師の割合が高く、労働環境や労働時間の長さを見ても、将来の選択肢として考えるには不安がある」と言った声や、逆に「皮膚科、麻酔科、眼科などは比較的女子医学生から人気がある」と言った声も挙げられました。

希望の進路(地域・病院・科)を叶えたいが、将来の仕事とプライベート(結婚・出産)の両立を考え、どちらかを捨ててどちらかを選ばないといけない、という2者択一の状況になりがちという彼女ら。将来の選択肢が、仕事とプライベートの両立の不安によって狭まってしまう現実がありました。

では、女性医療者の結婚、産休育休取得の現状や、年代別の就業状況はどうなっているのでしょうか。次回の記事では、日本全国の調査結果をご紹介します。

参考

・医療系女性のキャリアイベントのためのアンケート(2020.4月)
・2018年 医師・歯科医師・薬剤師統計(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/18/index.html
・2017年 第1回 医師の働き方改革に関する検討会(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000173612.pdf
・女性医師の年次推移(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000069214.pdf

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